とうとう「籐椅子」の話 – サブカルビジネスセンター

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2021.09.24とうとう「籐椅子」の話

今回は「籐椅子」の話です。

「籐椅子」とは――
籐の茎などを編んで作った椅子。多く安楽な姿勢で腰を掛けるような場合に用いられる。
(精選版 日本国語大辞典より引用)


今回のミソは「藤(ふじ)椅子」ではなく「籐(とう)椅子」なところです。
とてもよく似ている字な上、パソコンの変換で「とう」と打ち込んで「藤」が出てくるのがまたややこしい。
ですが今回は「トウイス」です。

そもそも籐とはどのようなものなのか。
字を見てなんとなくわかる人もいるとは思いますが、植物です。
英名で「ラタン」と呼ばれています。
この植物は東南アジアを中心に熱帯雨林地域のジャングルに自生するヤシ科の植物で、
200種以上ある植物の総称です。
ツル性植物で、節があり、とげを持った表皮に包まれています。
その繊維は植物中最長にして最強といわれ、
長さが200メートルを超えるものもあり、他の樹木にからみつき空に向かって伸びていきます。
およそ5年ほどで加工に適した大きさに成長します。
その生命力の強さから、通常の木材よりも丈夫で折れにくく、
曲線の加工もしやすいため、細かく裂いたものを編んで籠としたり
、太いものはステッキや家具のフレームなどに使用されます。
籐の実は球状で、つやのある三角状の鱗のようなものに被われていて赤、緑、黄色いものがあります。
実には、甘味があり、マレー人などは好んで食べているらしいです。
通気性がいいのも特徴で、暑い季節には人気のある素材です。
(大川家具HPより引用)

トウはヤシの仲間なんですね。
実際に製品になったものを見てみると細い繊維で巻き付けられているので、
蔓かなにかの植物だと思う方も多いでしょう。
そこがまたフジと勘違いされる要因なんだと思います。

ちなみにフジは、
マメ科フジ属のつる性落葉木本で日本の固有種。
実生活においては、他のつる性植物同様に民具の素材とされてきた。
蔓は丈夫なもので、これを編んで椅子や籠を作ることが行われ、
また繊維を取って利用されても来た。
繊維から布を織ったことも知られている。
この藤布を衣服としたことも知られ、主に庶民が用いるもので、
江戸時代までは仕事着に用いられた。
(Wikipejiaより抜粋)

ということなんですね。
フジも椅子とかにつかわれとるやんけ!!
余計混乱してしまいますね。

トウの家具などは調べてみると沢山出てくるのですが、
どうもフジを現在家具などに使用している様子はないみたいですね。
どれもトウ(ラタン)を使用しているようです。
現在フジ(のツル)を使用しているのは、
藤織りと呼ばれる織物だけのようです。

こちらはフジのツルを伐って割いて煮て干して、
撚って糸にして織って作る布です。
上述しましたが、仕事着などに使用されるだけあって頑丈なようで、
和服の帯や草履、カバンなどの材料に使用されるようです。

トウも頑丈ですが、さすがに織物にしても衣服に使えるほどの柔らかさはありません。
もっと頑丈です。
そういう意味でもやはりなんだかんだで別物なんだなと思いました。

ちなみに「籐椅子」は夏の季語。
夏に座れば質感もツルツルしていて冷たく、
見た目も透きがあって涼し気だからなのでしょうね。

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