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2021.08.10

時代劇とカルチャー

 水戸黄門は有名でしょう。御三家、水戸藩の徳川光圀が諸国漫遊の旅に出て、悪代官や悪徳商人を懲らしめるというパターンの時代劇です。では、これはどの程度現実が反映されているかというと、あまり反映されてはいないと考えられます。 

 一応名君として、庶民に慕われてはいました。一方新しいもの好きが高じて、いろいろな外国文化に触れていたそうです。有名なところでは、日本で最初にラーメンを食べたのは水戸光圀であるといわれています。ですが、諸国漫遊の旅になど出たこともなく、遠出と言えば、せいぜい鎌倉程度だったという話です。では、なぜ諸国漫遊の旅というフィクションが出来上がったかと言えば、佐々助三郎(助さんのモデルと言われています)を諸国に送り史書編纂の資料を収集していたことが原因でしょう。ちなみに、格さんのモデルは彰考館総裁の安住角兵衛であるといわれています。 

 これが、現在よく知られている水戸黄門の原型が出来上がってくるのは、江戸時代末期の事です。十辺舎一句の「東海道中膝栗毛」の大ヒットにより、これを参考にして「水戸黄門漫遊記」が誕生しました。明治に入ると、大阪で助さん格さんのキャラクターを前面に出すストーリーが一般化し、やがて東京などでもこのストーリーが主流になっていきます。 

 昭和に入るとテレビが一般化すると、テレビドラマとして人気を博し、黄門様が何代にわたって代変わりしつつ、長寿番組となっていきます。一方、同じようなストーリーが続くといわれたりしますが、安定した人気を博し続け、やがて(そのようなもの)として扱われるようになっていきます。こうなると、そのパターンを流用した番組が作られるようになるのは当然でしょう。 

 水戸黄門はアニメ化もされています。アニメでは、助さんが様々な必殺技を持つ、格さんが黄門様の投げる力だすきを付けると力が増し「これを付けると百人力」というなどのオリジナル設定や、実写版では出せないような敵キャラを出すなど、アニメならではの演出がされています。また、水戸黄門をモチーフにしたロボットアニメ、「最強ロボダイオージャ」があり、3体のロボットが合体すると胸に三つ葉葵のようなマークが浮き出て、黄門様にあたる「ミト王子」であることが明らかにするという定番ストーリーが展開されることになります。他にもアニメ、マンガ、ゲームに水戸黄門をモチーフにしたストーリーやキャラクターが登場する作品はいくつかあります。 

 このように多くの派生が生まれるは、水戸黄門のストーリーやキャラクターが汎用性が高く、扱いやすいからでしょう。もちろん、これ以外にも元ネタとされた作品は、日本の作品に限らず多くあります。「王道に外れなし」といったところでしょう

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