お知らせNEWS

2021.08.3

グルメマンガの世界

 食をテーマにしたマンガが多くありますが、これらのルーツから現在に至る道のりをたどってみます。 

 最初に食をメインテーマにしたマンガは、「包丁人味平」でしょう。もちろんそれまでに食を扱っていたことはなかったわけではありませんが、あくまで背景として、食は記号化されていました。例えば「おそ松くん」のチビ太のおでん、藤子不二雄のマンガに登場する小池さんのラーメンはどこまでも記号化されていました。 

 それらの中から現れたビッグ錠の「包丁人味兵」は、料理勝負というテーマを扱う以上、食がメインテーマとなり、その描写に工夫をしなければなりませんでした。もっともまだ日本の食事情がまだそれほどバリエーションに富んでいなかった時代の事、登場する料理は現実離れしたものが多くありました。(例えば、骨になってもいけすの中を泳ぐ活け造り、ドラム缶でスープを作るラーメン、スパイスでトリップしてしまうブラックカレーなど)現実離れした料理が続々登場する、リアルなど投げ捨てた料理マンガであって、料理の描写はあまり工夫が見て取れませんでした。まだまだ料理が記号であったということでしょう。 

 味平によって、バトル料理マンガというジャンルが確立した中で、料理を味わうことがメインテーマとなるマンガが登場します。「美味しんぼ」です。グータラ新聞社社員グータラ新聞社社員「山岡史郎」と新入社員「栗田ゆう子」がペアを組んで究極のメニュー作りに挑むというストーリーで、適役として、史郎の父の陶芸家「海原雄山」が登場し、食に関する知識を競い合うといったストーリーが展開されます。料理人でなく美食家をメインキャラクターとする、食に限らない環境問題、食の安全などの様々な問題意識を盛り込むストーリー展開となっていますが、まだバトル要素が残されています。まだバトル要素が残されています。アニメ化もされていますので、ご覧になった方も多いでしょう。この漫画の問題としては、究極のグルメというテーマだけに、一般に流通してはいないような高級食材を使い、一流料理人が調理を行う料理という、味をイメージし辛い料理が多く登場し、味の想像がつかないところにあるでしょう。 

  バトルマンガの要素を排したマンガとしては、久住正幸作、谷口ジロー作画の「孤独のグルメ」が有名個人事業家で大食家の「井の頭五郎」が食を求めていろいろな店を巡るという、るという、グルメ巡礼マンガといったところでしょう。空腹を抱えて入れそうな店にふらりと入り込むというストーリー展開なので、こ高級店ではなく、普通の店に入り込む場合によってはデパートの屋上や公園で食べることもあるという展開です。登場する店は実際に存在する店で、いつでも実際に味わうことができる、地に足がついた漫画になっています。味が想像し辛いから大体の味が想像つくという変化は、地に足の着いたグルメマンガというジャンルが成立することになります。井の頭五郎役を松重豊が演じたドラマが有名で、こちらの方をご覧になったことがあるという方も多いでしょう。登場する店は実際の店で、店員は本当の定員を使うというリアル感で、ただ食事をするだけでも視聴率が取れるというドラマが成立させることができてしまいました。ストーリーの久住正幸は実はこれ以前にグルメマンガを手掛けていますが、これ以降グルメマンガのストーリーを多く手掛けていくことになります。またグルメエッセイを多く手掛けています。グルメマンガの第一人者の一人と言っていいでしょう。 

 もう一人のグルメマンガの代表者としては土山しげるが挙げられます。食に関する作品が多く、テーマも多岐にわたっています。寂れたB級グルメの店を立て直す「食キング」、大食いバトルをテーマにした大食いバトルをテーマにした「食いしん坊!」、刑務所内での妄想グルメ「極道めし」、刑務所内での妄想グルメ「極道めし」、ラーメン武者修行の旅「喧嘩ラーメン」、ラーメン武者修行の旅「喧嘩ラーメン」、客をなめたような料理を出す店や店員に怒った主人公が、北斗の拳の雑魚キャラのような容貌に変身して店員を懲らしめる「噴飯男」、男」、久住正幸と組んだ、定年退職後の主人公が好きに食べ歩く「野武士のグルメ」、幕末の下級藩士の日常生活の中でのグルメを描いた幕末の下級藩士の日常生活の中でのグルメを描いた「勤番グルメブシメシ」など多数の作品を生み出しています。 

 このほかにも多くの作家によって様々なグルメマンガが作られると、新しいアイデアとしては、ジャンルの細分化と他のジャンルとの組み合わせが起こるようになります。カレーのみの「華麗なる食卓」、ソムリエを主人公とした「マリアージュ」、悪役が主人公になったとしたらというアイデアから生まれた中華料理マンガ「「鉄鍋のジャン!」、鉄鍋のジャン!」などの表現力で勝負のマンガ、逃走中のッ無実の犯人が行く先々の食堂で食事をする「とんずらごはん」、経済的にあまり余裕のない留学生が節約ご飯を食べる「くうねるマルタ」などの倹約グルメマンガが次々に現れ、また、シェフが戦国時代にタイムスリップして織田信長に召し抱えられる料理人版「仁」、「信長のシェフ」、マリー・アントワネットの料理人となった幕末の日本人料理人を主人公とした「マリー・アントワネットの料理人」といった設定で見せるグルメマンガ、コラボレーショングルメマンガとして、クレヨンしんちゃんの野原ひろしの昼食を描いた「昼メシの流儀」、カイジの大槻班長の一日外出時の食べ歩きの「一日外出録ハンチョー外出録ハンチョー」、サバイバル生活とグルメを組み合わせた「僕は君を太らせたい!」など、到底紹介しきれない量の作品が作られています。到底紹介しきれない量の作品が作られています。古代世界のグルメについても「始め人間ギャートルズ」のマンモスの肉があるぐらいですから、残されたジャンルを探すのは大変かもしれませんが、漫画家の皆さんは何とかアイデアを出していくことでしょう。 

ログインまたは新規会員登録してください。