抜びょうノーチラス「オウムガイ」のこと – サブカルビジネスセンター

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2021.06.25抜びょうノーチラス「オウムガイ」のこと

今回は「オウムガイ」の話です。

オウムガイとは――
殻に入った頭足類で、南太平洋〜オーストラリア近海に生息し、水深およそ100m – 600mに棲む。
オウムガイ目 – オウムガイ科に属する軟体動物。生きている化石のひとつでもある。
(Wikipediaより引用)


生きている化石、祖先が4億5000万年前~5億年前に誕生して、それからの原始的性質を色濃く残した生物と言われています。
生きた化石とは、昔から長ーく生きている生物ではなく、昔からの形態や性質を残し続けた生き物のことをいうんですね。

オウムガイは90本ほどある触手を使い、ものに付着します。
吸盤は持っておらず、代わりに触手にあるたくさんのシワを使います。
ちなみにオウムガイの上にある帽子のようなものも触手が変化したものです。
イカやタコのように漏斗から噴き出す水を推進力にして進みますが、動き自体はゆっくりで、
イカタコと違い、生きている魚介類を餌することはできません。
主に、死んだ魚介類や脱皮した殻などを食べます。
ただ、寿命は長く、イカやタコが1年~数年で死んでしまうのに対して、十数年~20年近く生きると言われています。
これは、殻の生成に時間が掛かることによって成長が遅いためといわれています。
イカタコは逆に殻を退化させて成長速度を速める進化をしました。

その殻なのですが、オウムガイの殻は貝などの巻貝によく似ていますが内部の構造は大きく異なります。
巻貝の殻は奥まで一続きで奥まで身が入っているのに対して、
オウムガイの内部は中間ぐらいまでしか身が入っておらず、
その先は規則正しく仕切りが作られ、細かい部屋に分けられた空洞があります。
この空洞部分にはガスと液体が入っており、これらの比率を調整することで浮力を調整しているのです。
ちなみに死んでしまうと殻が空洞のため、その浮力で浮かびやすく、日本の海岸にもその殻のみがよく漂着します。

オウムガイの名前の由来は、前述した帽子のようなもの、その下にある殻の部分がオウムのクチバシに似ていることから、
この名前が付きました。
英名はノーチラス。ギリシャ語で水夫、船舶を意味します。
しかしこの名前で有名なのは『海底二万マイル』の潜水艦、ノーチラス号でしょう。
実際潜水艦の浮き沈みする機構はオウムガイのそれと同じです。
このように、現実の生物の機構は人間の道具に応用されているんですね。
ピンバイスなどのらせん状のドリルも、フナクイムシという生き物が元ネタですし。

ちなみにオウムガイは食べることもできて、イカと貝の中間みたいな味のする高級食材だそうですよ。

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