時代小説「刀語」のこと – サブカルビジネスセンター

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2021.05.27時代小説「刀語」のこと

みなさん、刀をご存知でしょうか。
刀とは武器(刀剣)の一種であり、剣の内でもとくに片側にしか刃のない物を指すものです。
今回は一癖も二癖もある十二本の刀を集める物語。
「刀語」のお話です。

刀語とは――
かつての戦乱の時代…。
伝説の刀鍛冶「四季崎記紀」の作った千本の刀の所持数の多い軍ほど、優勢に戦を進められたという。
尾張幕府により国が統一されはしたが、旧将軍は四季崎の刀を恐れ「刀狩」を行い、988本までも収集した。
しかし、残り12本こそが、988本を試験台にした完成形変体刀であることが判明する。

…時は流れ、刀を使わない剣術「虚刀流」の七代目当主である「鑢七花」は、
姉の七実と二人きりで、父六枝の流刑地、不承島で暮らしていた。
しかしある日、変体刀の収集を幕府から命じられた「奇策士とがめ」が、
虚刀流六代目・六枝の力を借りるために訪れる。
しかし六枝は既に死亡しており、「とがめ」は現当主である七花に協力を求める。

過去に真庭蝙蝠や錆白兵に裏切られた、
「とがめ」の「金や名誉のためでなく、私に惚れた、愛のために戦う剣士を雇いたい」との言葉から、
「七花」は「とがめ」のために完成形変体刀十二本を集める旅に出る。
各地を巡る二人は、さまざまな人々と出会いトラブルに巻き込まれながらも、
強大な力をもつ変体刀の所持者や、
変体刀を狙う組織、真庭忍軍らと戦っていく。(Wikipediaより引用)


と、いうのがこの作品のあらすじです。
こちら、原作は小説でアニメ(なんと1話1時間)にもなっております。
作者は有名な西尾維新です。

こちらの作品、西尾維新の初時代小説となっており、
舞台は江戸っぽい架空の時代、尾張時代と呼ばれる時代の物語です。
あらすじにも書いているように、
奇策士とがめと鑢七花が刀を求めて日本中を旅する物語となっています。
この作品には自分の好きな要素が結構詰まっていて、かなり好きです。
和風ファンタジー、バディもの、先々で出遭う好敵手、全12巻と手ごろな巻数など。
西尾維新作品にしては、それほど作家の色が文章に出てなかったのも好きなポイントですね。
読みやすかったです。
西尾維新作品はいくつか読みましたが、好き嫌い……あるよね……。

それはそれとして、この作品の魅力は主人公2人の関係や掛け合いが多くを占めます。
鑢七花は無人島育ちでどこかとぼけた感じ(でもツッコミ)
奇策士とがめは尊大なお姫様みたいなキャラクター(割とボケ)
この2人が話を進めていきます。
刀に関する情報を集めたり事前に知っていたり、そして刀の所持者も癖のあるキャラクター。
忍者だったり、海賊だったり、仙人だったり。
刀自体の設定も、ぶっちゃけ和風ファンタジーなので好き放題しています。
絶対折れない刀、千本で一本換算の刀(?)、ロボット(?)など
言ったもん勝ちみたいな刀が出てきます。
でも面白いんですよね、1巻で刀を見つけて回収をちゃんと済ませるのでテンポがいいです。
きっちり12巻で終わるところも(外伝とか小話とかもちょこっとありますが……)

それとやっぱり外せないのはイラストですね。
自分は刀語(同作者の戯言シリーズなど)のイラストレーター「竹」のイラストがすごい好きなんですよね。
刀語は個人的に特に好きで、キャラクターの記号化が上手なんですよ。
例えば主人公の1人、鑢七花は紅葉の装飾が多く、髪型も紅葉みたいな形をしていて、
それを描けばこのキャラクターだなって装飾が入っていて、それがうまくデザインに組み込まれていて。
それから切り絵や貼り絵みたいな雰囲気のイラストも好きです。
序盤は特にそれが顕著で(Illustratorで作っていたみたいです)
主線がほとんどない、まるで色画用紙を切って貼ったみたいな雰囲気の表紙。
少ないグラデーションで光源や影を表現してもいます。

そんなわけで今回は刀語でした。
巻数も少ないですし、1話ごとにちゃんと話は進む。
イラストも美麗でオススメの作品です。
小説もオススメですがアニメも出来がいいので是非とも見たことがない方は、
視聴してみてはいかがでしょうか。

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